今日も、二川宿本陣からです。
きれいな「お蔵」です。東西に2棟あります。

こちらが復元前のお蔵。菱形模様の「なまこ壁」までは復元されていませんでした。

柱など材木はは当時の物を使ってあるようです。

その時の「和釘」です。

約200年前の釘です。多少赤茶色をしていましたが、現在でもまだ使えるくらいショウがありました。
和釘は鍛冶職人が焼き入れをした鋼鉄でつくるため、錆びにくく、きわめて長い寿命がでます。欠点は曲がりやすいこと。
・・ちなみに現在使われている洋釘の耐用年数は30年程度といわれています。
実際その位経過の建物を解体して、釘を抜こうと思っても、釘は折れま
すからあながち嘘ではありません。・・
和釘は先へいくに従って細くなっているので、玄翁(げんのう:かなづちのこと)で叩いて打ち込むことはできません。和釘を打ち込むには、まず道穴を鑿(のみ:「打ち込みキリ」とか、「つばのみ」ともいう)で掘って釘をおさめ、最後のわずかな長さだけを叩いて打ち込みます。
法隆寺五重塔にも(驚かれるかもしれませんが)、釘は3千から5千本使われているそうでその心柱に使ってあった和釘(飛鳥釘という種類)は千年余耐えていた。その古釘を集め溶かしてヤリガンナという道具を作ったと、法隆寺の宮大工西岡常一棟梁(故人)が書いた本に載っています。
現代でも、「千年もつ白鳳型和釘を作る」刀鍛冶がいらっしゃるそうで、白鷹幸伯(しらたか ゆきのり)さん76歳がその人。
本も出版されています。
そろそろ終わりますが。
今日のテーマは内容が分かる方には恐ろしいことを書いてしまいました。
続きはまた次回に
千年杉建築事務所 小林正幸
