今日もまた、牧之原市(旧榛原郡相良町)にある国定重要文化財「大鐘家
(おおがねけ)」の話です。
昨日の話題
「小屋裏開口部」のもう一つの効用は
排煙窓 です。

ご覧のように この

釜戸には煙突がありません。
当然カマドを使うと、煙が出ますから家中スモークだらけになります。
以前、
茅葺き屋根のテーマのところで話を出した、防虫防腐効果があるとはいえ、これでは虫より先に人間がたまったものではありません。
そこで、この排煙窓が一役買っているのです。
上昇した煙はこの高低差のある窓から勢いよく
排出されていくようになっています


昨日、鳥が侵入すると言いましたが、ちょっと間違ったかな?煙が出て燻っていれば煙めがけて突っ込んで行く野鳥はいないですねぇ。
大鐘家には、かまどが3対(組)あります



このカマドは比較的新しい物です。白っぽく見えるのが煙突です。

そして、これがここの主(あるじ)専用の竃(へっつい)



竃(へっつい)は かまど の別名だそうで、今で言うとこれは、主人用のポータブルコンロ とでも云いうのでしょうか。
大きな違いは、土間に設置されないで、床板の上に置かれています。
一段高いところから、煙管(キセル)でもくわえながら、使用人たちを監視していたんでしょうか?
そういえば、古典落語で
へっつい幽霊 ってのがありました。ちょっと読んで涼しくなってみては
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では、また
千年杉建築事務所 小林正幸
