飛騨高山第16弾から重要文化財「吉島家」住宅に入ります。
火災焼失後、明治41年頃再建ですから、築103年ということになります。
表通りからの表情
ん?なにやら軒先に大玉がぶら下がっています。提灯でもスズメバチの巣でもありません。杉玉(すぎたま)と言うんです。
杉玉とは、スギの葉(穂先)を集めて球状にした物。
軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる一種の看板だったのです。
吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としていますが、そのうち枯れて茶色がかってきます。この色の変化が道行く人々に、新酒の熟成の具合を知らせることになりました。
…とういうことで、こちらは元代々の「造り酒屋」だったのです。
もう一つ、「暖簾(のれん)の紋は、幕府に多額の運用金を献じたことによって賜ったものです。つまり、吉島家は身もとよろしき豪商だったということです。
つづく
千年杉建築事務所 小林正幸
もうすぐ
秋の高山祭 です。