今日も「豊田佐吉翁生家」です。
家に入って上を見上げると、竹張り天井でした。
復旧工事時に張り替えたと思いますが、当時のイメージは伝わってきます。
竹張り天井とは、真竹や孟宗竹を丸竹や割竹にしたものを天井に隙間が
できないように張っていきます。
太さ径20~30ミリの晒し竹(さらしたけ:竹の油抜きをした後、曲がりを
矯正して天日干ししたもの)を用い、竹の節は揃えず張ります。
製材の板にはない素朴さがあります。
昔の家づくりは、木材を始め、
前回の三和土、土壁に使う小舞竹(こまいたけ)
や壁土。屋根に使う藁や葦と瓦の土、そして、今日の天井材。
家づくりに関するすべて材料は、近くの里山で採れるものをその地域で使う
いわゆる「地産地消」型でした。もちろん、大工や左官などの職人さんも当然
地元の人間が携わったわけです。
そして、その地域にお金が落ちて社会が成り立って行ったのでしょう。
(いいのか悪いのか)現在はその地域が広範囲になり過ぎてしまったようです。
・
・
間違っても、「シサンシュクショウ(資産縮小)」とは言わないでください。
つづく
千年杉建築事務所 小林正幸