今日の 筏問屋田代家 のポイントは「虫籠窓」(むしこまど)です。
「虫籠窓」は、かたちが虫かごに似ているので名づけられたと言われています。
この虫籠窓、防火のために造った窓のため、窓といっても開け閉めできるもので
はなくささやかな明り取りや風を入れるために造られたと考えられます。
「虫籠窓」は町家(ちょうか・まちや:商人の家)の道路側正面に造られるが、こ
れは基本的に2階建てが禁止されていた江戸時代、貯えのある商人は物置
のために二階の屋根裏を活用すると、当然、窓がほしくなるから造ったのだろ
うと思われます。
外から中の様子は見えないので、江戸時代、大名行列が来た時に土下座し
たくない商人はこの「虫籠窓」の二階から見下ろして愚痴をこぼしていた者も
いたことでしょう。
(
…多分)
つづく
千年杉建築事務所 小林正幸