大工が軸組工法の家の構造材(柱や梁・土台など)を電動工具や鑿(ノミ)を使って加工すること手刻み(てきざみ)と言います。
これに対し、コンピューターに入力されたデータに基づきロボット(NC工作機械)が加工するものをプレカット加工と言います。
現在は、省力化と短期間で出来ることから大方の住宅会社がプレカット加工で発注しています。
そのため、今では工場でプレカット加工された構造材をプラモデルのように現場で組み立てる建前(上棟)に変わってしまったのも否めません。
従来の軸組工法の建前 前の仕事には、大工の技量を問われる「墨付け」段階で、木材を選別し、ねじれ、曲がり、歪みを調整し、付けた墨に沿って「手刻み」へと進めていました。
そうすることで、大工技術の伝承が行われてきたのです。
前置きが長くなりましたが、昨日
この「手刻み加工」した木材を型式としてマニュアル化した長期優良住宅の技術基準講習に行ってきました。
手刻みを残していくことで以下のような連鎖が生まれることを願います。
長い年月をかけて育てた木を大切に使う
木を活かす工法=真壁工法(構造材を見せる工法)を見直す
金物はできるだけ使わない
高度な大工加工技術が必要になる
大工技能を育てる環境が生まれる
評価するシステムが構築される
既存木造住宅の維持や新しい技術を生む環境ができる