飛騨高山第29弾
「日下部民藝館」も最後になります。
日下部家の大工(いや施主かも?)のこだわり。
通常、柱や梁その他造作材が化粧として見えるところ、手が触れるところには鉋(かんな)がけで仕上げるのですが、日下部家では、見えないところにも鉋仕上げを施してあるという説明でした。
実際、注意して手で触ると、なるほどと言う箇所がいくつか見つけました。
当然、大工がその分手間をかけるわけですから、工期や人件費も増えます。
その分、ここの施主には「手が抜けないな(気が抜けないな)」という意味合いを持つことにもなるのです。
(間違っても、手抜き工事ができないなという意味では、ありませんので…。)
もっとも、真壁造りの民家では、使われる木材のほぼすべてが見えるわけ(化粧材)ですから、手を抜く(材木や手間に対して安易に妥協するという意味です)意識はなかったはずです。
「手を抜く」という言葉がどうも、瑕疵(かし)や欠陥を生む「手抜き工事」の意味にとられやすいので、()にて、コメントしました。
悪し(足)からず
奥には「文庫蔵」の第二展示場がありますが
帰る時間が迫ってきたので、残念ながら見学できずに帰路につきました。
文庫蔵の前には休憩所棟があり、
その前には、広い中庭土間があって、座ってくつろげます。
飛騨高山へ行かれる時には、吉島家と日下部家(民藝館)へは、足を運ばれるといいと思います。
ではまた
千年杉建築事務所 小林正幸