夢物語ではありません

なぜ冬寒い家ではいけないのでしょうか。

「室内を暖房、すればそれで済む話ではないか」さらには、「戸を開けたりして廊下まで温めればいいのでは」と、どこからか聞こえて来そうです。
よく考えてください。断熱性能が乏しい住宅は部屋の戸を閉め、隙間をなるべくつくらないようにして暖房しませんか。

最近目にした折込チラシ下ですが「寒さの象徴」ともいえるプランがいまだに出回っています。
夢物語ではありません

部屋を細かく切れば暖房の聞き具合も良いといわれている業界お勧めの一昔流行ったプランです。

話を戻します。今夏は特に「省エネだ、節電だ」の掛け声が大きくなりました。さらに今年の冬場には、原子力発電所の点検後に再稼働できずに電力不足に陥る可能性が高いと言われているのに、ガンガン暖房(特にエアコンですが、灯油でも省エネを考えたら同じです)ができるでしょうか?

こんな資料があります下降
夢物語ではありません

(昨日と同じ、坂本雄三・東大教授の公開資料から拝借)
先進国の世帯当たりのエネルギー消費を用途別で見た比較表です。
日本は暖房用のエネルギー消費が他の国と比べて著しく小さいことがわかります。
日本の暖房用エネルギー消費量は13.5GJで、日本に対して米国は3.4倍、英国は3.7倍、ドイツは4.3倍、温暖なイタリアでも2.8倍となっています。
※GJ:(ギガジュール)熱量の単位です
暖房用エネルギー消費は各国の冬の気候条件に大きく左右され、日本よりも気温の低い欧州各国は当然、エネルギー消費量が大きくなります。
それらを考慮しても、日本の暖房用エネルギー消費量は少ないのです。
暖房と言っても、家全体を暖めるのではなく、部屋ごとにコタツや石油ストーブといった部分的に暖める「採暖」が常識でした。だから、他の先進国に比べて暖房用エネルギー消費量が少ないのです。要は、日本人は寒さを我慢して過ごしていたのです。
(これを良し、と見る方もいるかもしれませんが…)

寒い部屋ができたり、結露が生じると快適で健康的な住環境にはなりません。
これからは、家全体を暖める全室暖房を採用する発想が必要です。
それも、少ないエネルギーでもって家全体を効率よく暖め、また冷やせるように家を創ることが重要になってくるし、すでに実現可能なのです。
これは、何も新築(建替え)でなければ無理だと言うことではありません。
古民家の家でも、現代の省エネ基準(あるいはそれ以上の)家に再生させることが可能なのです。

今日はこの辺で

千年杉建築事務所 小林正幸
夢物語ではありません



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