今日も
日本民家再生協会が主催した「軽井沢路上観察」にお付き合いください
室生犀星(むろうさいせい)記念館です
室生犀星は、大正期から昭和中期にかけて活躍した
日本文学を代表する詩人・小説家です。
この記念館は、昭和6年に建てられた別荘を改修したもので、犀星は亡くなる
前年の昭和36年まで毎夏をここで過ごしました。
室生犀星の名をご存知が無い方のために
「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの・・」
で始まる詩を作った人と言えばほとんどの方が思い出すカナ。
あいにく、内部の観覧はゴールデンウィークと7月~10月だけだというので見れませんでした。
見事な苔(コケ)だと思いませんか?(芝生ではありませんヨ)
室生犀星はこの苔にほれ込んでいたそうです。
(これから記念館に行かれる方は通路以外は歩かないでください)
外壁には杉皮が張られた純日本的な佇まいでした。
夏は建具を開けた開放的な建物の中で 作品を作ったんでしょうか。
この記念館の近くに、犀星自らが生前建てた石碑があります。
それがこれ
「我は張りつめたる氷を愛す
斯(かか)る切なき思ひを愛す
我はそれらの輝けるを見たり
斯る花にあらざる花を愛す
我は氷の奥にあるものに同感す
我はつねに狭小なる人生に住めり
その人生の荒涼の中に呻吟(しんぎん)せり
さればこそ張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す」
(昭和三十五年十月十八日室生犀星之建)
詩の意味は・・ 浅学な拙者は申せません
石碑の一部文字と教科書に載った詩とくい違いがある と以前 議論になった時がありましたがこれは、犀星が亡くなる前に 作った詩に手を加えたので 結局 どちらも正しいということで一軒落着したそうです。
メデタシメデタシ
つづく
千年杉建築事務所 小林正幸