現代の日本人の平均身長は戦後グーンと伸びたため、現在の家は、
床から鴨居(かもい)つまり、室内建具の入る開口部の高さ
(内法高:うちのりだか)は6尺(約1.82m)または2.0mで作られます。
ところが、「古民家」新築当時の平均身長は、ご覧
のように現在より
10cmほど低かった時代では、内法高(建具高さ)は5尺6寸(約1.69m)
から5尺8寸(約1.75m)です。
民家再生工事の計画を行うときには、この内法高を既存通りにするのか、
あるいは、家主とその家族の身長に合わせ、高くするのかという検討を
当初段階から決めなければなりません。
さかのぼって、昭和40年代頃、内法高の低い家が多くて、そこに住んでいる
鴨居まで成長した若者は、頭をぶつけないように自然と頭を下げるクセが付いた
ものでした。
現代は、床はまだバリアフリーでなくても、「頭上はバリアフリー」です。
…だから、頭を下げない人が多いんだぁ…
つづく
千年杉建築事務所 小林正幸