古民家に学ぶ

今日の引佐町鈴木家のポイントは、手挟み（てばさみ）です。

拡大写真



前回の雄踏町中村家の写真と比べてください。



どちらも、同じ茅葺き屋根ですが、

中村家は腕木（うでぎ）で屋根を支えています。

この腕木（うでぎ）という用語は現代でも使いますが、腕を伸ばし

て支えているところからこの名前が付いたんでしょう。

手挟みは、腕を斜めに伸ばして手で挟んで支えているような形に

見えるところからついたんでしょう。

こうしてみると、農家民家の引佐町鈴木家の方が浜松城主と拝謁でき

る独礼庄屋の中村家にくらべ格式が低いという違いが分かるというものです。

それにしても、先人たちは、実に素直に、見たまんまを表現してきたもの

ですね。

つづく

千年杉建築事務所　小林正幸